八上王子~滝尻王子【熊野古道中辺路】
熊野古道中辺路の入り口であり、稲葉根王子は社格の高い五体王子のひとつでした。八上王子・稲葉根王子が世界遺産に追加登録されました。
滝尻王子からは熊野三山の神域に入るため、稲葉根王子の前を流れる富田川(岩田川)で水垢離を行い、体を清めて詣を続けました。
鮎川王子からは少し進んだ「北郡越(ほくそぎごえ)」も、世界遺産に追加登録されました。
北郡越を過ぎるとしばらく車道が続きますが、熊野の聖域の入り口とされる滝尻王子からは再び世界遺産に登録された古道となります。
コースのみどころ
八上王子(やがみおうじ)
建任元年(1201)の「熊野御幸記」に名を残す由緒ある王子です。
西行法師もこの地を訪れ、山家集に歌に詠んでいます。
稲葉根王子(いなばねおうじ)
「稲持王子」ともいい、熊野九十九王子の中でも社格の高い五体王子のひとつで、 社歴も古く格別に崇敬されていました。前を流れる富田川(岩田川)を渡り、一ノ瀬王子に向かいます。
一瀬王子(いちのせおうじ)
一瀬とは熊野に入るためのみそぎをする最初の川瀬のこと。後鳥羽院の御幸記にも記されています。
また、旧村名の「市ノ瀬」から「市ノ瀬王子」ともよばれ、一度でも渡れば、いままでの罪業がすべて消え去ると広く人々に信じられていた富田川(岩田川)にちなんだ王子社です 。
鮎川王子(あゆかわおうじ)
岩田川(現在の富田川)と支流の愛賀川が合流するところにあり、国道311号線沿いの鮎川新橋たもと、鮎川新橋のバス停近くに石碑と案内板が建っています。
鮎川王子社は明治7年に対岸の住吉神社に合祀されました。
北郡越(ほくそぎごえ)
道沿いには、庚申塔や道祖神など江戸時代の石造物が多く残り、石畳の痕跡を留める道もあります。一部は世界遺産に追加登録されました。
鮎川王子から鮎川新橋を渡り、住吉神社を経て富田川左岸の車道を上流へ向かい、「のごし橋」付近から車道を離れて地道に入ります。やがて川沿いの道から山中へ進み、北郡越の峠に向かいます。
峠からは富田川を眼下にしながら北郡集落へと下ります。
北郡集落からは車道となりますが、清姫生誕の地といわれる真砂の里を過ぎるとほどなく滝尻王子に到着です。
稲葉根王子~鮎川王子 モデルコース