発心門王子~熊野本宮大社【熊野古道 中辺路】

発心門王子から熊野本宮大社へは全体的には下りになり、比較的平坦な道が続きます。
集落と樹木に囲まれた石畳など古道らしい雰囲気の道を交互に歩くコースで、熊野本宮大社まで約2時間の道のりは見どころもいっぱい。
ゆったりと景観を楽しみながら歩くことができます。
また熊野本宮大社前から発心門王子への路線バスもあることから、歩きやすく人気のコースとなっています。

コースのみどころ

発心門王子(ほっしんもんおうじ)

熊野本宮大社の神域の玄関口とされ、かつては大鳥居があったと伝えられています。
藤代王子、切目王子、稲葉根王子、滝尻王子につづく、五体王子に数えられた由緒ある王子です。
明治時代に三里神社に合祀となり、社殿も移築されました。現在の社殿は平成2年(1990)に復元されたものです。

水呑王子(みずのみおうじ)

元小学校分校の敷地の一隅に緑泥片岩の碑があります。
発心門王子からここまでは集落内などの舗装路を歩きますが、ここから美しい山道に入ります。
山道を下って再び舗装路に出ると、伏拝の集落となります。

伏拝王子(ふしおがみおうじ)

参詣者はここから大社の社殿を伏し拝んだといわれており、熊野本宮大社旧社地の森を遠望できます。
石造の小祠に並んで平安時代の女流歌人和泉式部の供養塔といわれる笠塔婆があります。
また整備されたトイレや休憩所もあります。
ここから再び緩やかな地道となります。

三軒茶屋跡(さんげんちゃやあと)

十津川方面からの「熊野古道小辺路」と合流する場所で、関所や茶店があったとのことです。
車道と交差する橋があり、休憩所とトイレもあります。
ここから少し上り坂もありますが、一部には石畳も残る広く美しい古道が続きます。

祓殿王子(はらいどおうじ)

熊野本宮大社の手前にある社として、旅のけがれを祓い清める潔斎所だったとみられ、王子名の由来とされています。
三軒茶屋跡からの古道を歩くと、最後に団地に出て、前方に熊野本宮大社の社叢が見えてきます。近づくと道のわきに祓殿王子があります。現在の熊野本宮大社のすぐ裏手になります。

熊野本宮大社(くまのほんぐうたいしゃ)

全国に4,000社近くあるといわれる熊野神社の総本宮。社殿は国の重要文化財にも指定されています。
現在の社地は、1889年(明治22年)の大洪水で、熊野川の中州にあった旧社地が流され、流出を免れた社殿を移築再建されたものです。

世界遺産熊野本宮館

熊野本宮大社の石段を下りると、向かいに「世界遺産熊野本宮館」があります。
世界遺産に関する展示施設や観光協会等の事務所などがあります。
旧社地「大斎原」も近くです。

大斎原(おおゆのはら)

明治22年の水害まで熊野本宮大社が鎮座していた聖地「大斎原」。熊野川、音無川、岩田川が合流する中洲にあり、山や木、水などに対する自然崇拝が起源と考えられる神社です。
入り口には日本一の大きさを誇る大鳥居があり、その背後のこんもりとした森が大斎原です。熊野本宮大社から徒歩10分ほどなので、ぜひ訪れてみてください。

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